株の持ち越しで寄り付きギャップアップを狙う方法

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株の持ち越しで寄り付きギャップアップを狙う条件

1.日経225との連動性が高い東証一部上場の大型株である。
2.対象銘柄の日足が上昇トレンドで、できる限り安値切り上げ高値更新が綺麗に保たれている。日経レバ(1570)など日経225と同じ値動きをするETFでも良いが、上昇トレンドが明確な銘柄の方が翌営業日の陽線実体が長くなる確率が高い。それゆえ建値まで戻される確率も低くなり、大引けで仕込んだ分をスイングに変更しやすくなる。
3.日経225が大引けに向かって買われていき、日中足のほぼ最高値で終値が確定している。大引けでギャップアップするほど良い。(※)ジリジリ買い上げられていく方が良く、日足の出来高が増えていればギャップアップの信頼性が高くなる。対象銘柄の考え方も同じ。日足陰線の場合支持線から大引けに向けて同様の値動きのときにギャップアップする確率は高いが、日経225と対象銘柄も必ず陽線のみとする。
(※)大引けでGUかGDかは板が早すぎて分からない。たとえGDであっても大引けに向かう流れが重要。

1-3までの具体例:12月7日、21日、23日の日経レバ(1570)とレーザーテック(6920)、日足と5分足で確認する。画像は23日から24日寄り付き分です。
2021年12月23日 ギャップアップ チャート

4.日経225が大引けに向けてボラタイルになりながらも買いの強さを保ち、日中足のほぼ最高値で大引けを迎えている。一方で対象銘柄は支持線上で大引けに向かってジリジリと買い上げられて終えている。先と同様に出来高が増えていればギャップアップの信頼性が高くなる。対象銘柄がジリジリ買い上げられるのは、2の通り上昇トレンドでチャートが強いから。それにも関わらず日経225と同じく上下にふらされていたら、総合的判断が必要。

4の例:12月15日、(22日)の日経レバとレザーテック。日足と5分足で確認する。画像は15日から16日寄り付き分です。
2021年12月15日 ギャップアップチャート

5.絶対に忘れてはいけない。いつでも長期時間軸トレンド最優先。上記の大引けに向けた値動きのみにとらわれない。日足の足型、過熱感(上昇率が高すぎる)、長期時間軸の節目との値幅も考えて最終判断をする。基本は日経225と対象銘柄に集中だが、怪しく感じるときは同セクターの日中足をみて総合的に判断する。総合的判断が思考ノイズになっていないかを意識する。自己保身が強くなっていないかをその都度確認する。

5の例:12月16日のレーザーテック。上場来高値が間近、日足で小さなダブルボトムネックライン抜けを確定させた日。レザテクのみを見ていると大引けで仕込みたくなりますが、翌日はギャップダウンで寄り付きました。
参考:株の持ち越しで寄り付きギャップダウンを避ける方法

6.上記はギャップアップ確率のみであり、寄り付いてからの値動きは個別次第。例えば船株はずれており、半導体が下落している12月17、18日に強さを保っている。一方でギャップアップで寄り付いてからの差し込みがきつくなるなど、日中足に個性が表れている。一方で日足以上の支持帯が働いて反発していることからも分かる通り、いずれも長期時間軸優先のテクニカル分析の上に成り立つ寄り付きギャップアップ狙いであることを忘れてはいけない。決してテクニックに走ってはいけない。

7.大型銘柄にズレ・違和感が生じたとき、一旦の天井が近いサインとなるかもしれない。例えば、今まで半導体・船・石油関連が大引けに向けて買われていたが、船が弱り始めたなど。このようなズレ・違和感を無視しないこと。調子にのって強気にでたときに食らう急落が、いっぺんに利益をもっていくことを決して忘れない。

条件満たすセクターと銘柄数が多いほどギャップアップ確率が高まる

下に比較対象を一部紹介しましたが、条件を満たすセクターと対象銘柄が多いほど、株の持ち越しギャップアップ確率が高まると考えています。検証数が少なすぎるので結論づけはできないのですが、12月以前のことを思い返しても、条件1-7を満たし、多くが活気づいているときは翌日もGUをたくさん見てきました。

僕の感覚をテクニカルに落とし込んでいけるように、引き続き検証をしていきます。

中小型銘柄、日足トレンドが強くない大型銘柄と比較する

トヨタのEV戦略で再燃した中小型の田中化学研究所(4080)

トヨタのバッテリーEV戦略に関する説明会は12月14日に行われました。田中化学研究所(4080)はすでにEV関連として急騰してしまい12月1日から急落開始で1500円で下げ止まったものの、上値が非常に重たい流れへ。12月7日は日足が全く条件を満たさず対象外。そして15日に再発射、16日は一気に節目の2000円に到達した陽の丸坊主。2000円は強烈な抵抗線になっており、中小型であっても長期時間軸の節目初到達で新規に入れることはしない。
21日と22日は大型が条件を満たしながらも、田中化研は日足がだめ。日中足に買いの強さは表れているが、明らかに日経225や大型銘柄とのリズムに違いが生まれている。23日は完全に条件を満たしており、大引け仕込みするところ。

日足トレンドが強くない機械代表の安川電機(6506)

安川電機(6506)は日足が明確な上昇トレンドではなく出来高が細っているが、それでもギャップアップを狙えるかを考える。機械セクターに強張るときに真っ先に資金が向かいやすい銘柄。12月7日は長期上昇トレンド一服、レンジ内上昇トレンドレンジ下段で底固めして、安値を切り上げながら上段へ入る過程。上記条件を満たす。21日は日経レバやレザテクと同じく急落させられてからの回復局面。ここでレザテクとの差が現れる。明確な日足上昇トレンドではにあので、押しが深く、また機械セクターに資金が向かっていなかったことから出来高も100万株未満で大引けに向けての買いも弱い。23日は地合いも良く大型銘柄は22日の売りをこなして完全に上昇志向、安川は出来高100株未満だがチャートは条件を満たしている。

12月15日と22日はGUするように見えない。出来高が90万株未満で5分足の密度が低く熱量を感じにくい。また大引けに向けて下がっていることから、仕込みの対象にならない。レザテクと比較して、日足トレンドや長期時間軸における値位置の分析の重要性が分かる。

12月16日は6000円の心理的節目かつ抵抗線に到達しての日足陰線で対象外となる。ここにレザテクとの違いが顕著に表れている。他セクターも見ながら翌日の地合いに対する信頼性の判断が必要だと分かる。

独特のリズムを刻む海運代表の日本郵船(9101)

日本郵船(9101)は続き足ではじまっても日中の押しが深くなるなど、強いのだが半導体のように素直に強くない、独特の値動きリズムを刻みながら終値ベースでは地合いにそくしている。12月7日はGU条件を満たしているが、翌日は寄り付き強くて上髭作ってからのナイアガラ。日足以上で上値重たい価格帯に入っていることからも、GU狙いの大引け仕込みが長期時間軸の環境認識の上に成り立つテクニックだと分かる。21日と23日は大丈夫。23日は強いセクターかつ多くの銘柄が条件を満たしており、やはり多数決でロットを高めるかの判断が稼ぎ飛躍させるかの鍵となる。15日と22日は日足がだめ。

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